古風な三文字のお題
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をかし… 客観的、理知的に見て、風情のある趣や美的なものを表現する言葉。 おどけ… 「戯け」。「お道化る」と当てる場合もある。ふざけたりたわむれること。しゃれ、こっけい、冗談。親しさや気を許しあった雰囲気を持つ言葉。 さやか… 「清か」、もしくは「明か」とも書く。明瞭、明白、はっきりした様子を表す。曇りなく晴れ渡る空、くっきりとした透明な風景などを表現するときに使われる。もう一つの意味として、澄み切った音声を表し、高く澄んだ音色も指す。 ゆかし… (「ゆかしい」と同義)心ひかれ、そこに行きたいと思う意。好奇心がそそられる。見たい、聞きたい、知りたい、欲しいなどの気持ちを表す。また、気品・情趣などがあり、どことなく心がひかれる様子も指す。なつかしく感じられる。昔がしのばれる様子。 おぼろ… ぼんやりとかすんでいるさま。はっきりしないさま。不確かなさま。 まどう… 「惑う」。心の迷い。うろたえる。あわてる。心を奪われ、判断力を失うの意。また、「ひどく〜する」の意味にも用いられる。(例:「思い惑う」、「風の吹き惑ひたるさま、恐ろしげなること【出典:更級】」) きよら… 「清ら」。清く美しいこと。気品があって美しいこと。また、華やかで美しいこと。そのさま。 めぐむ… 「芽ぐむ」。草木が芽を出す。芽吹く。また、ある感情・考えなどがうまれるの意味。 こひし… 「恋し」。離れている人や場所、また事物などに強く心を引かれるさま(特に、簡単に会うことが出来ないほどの距離がある場合の感情)。 やさし… 「優し」。現代の「優しい」の意味とは異なり、古くは身も痩せるような思い、恥ずかしさという思いが含まれている。殊勝である。けなげである。りっぱである。 控え目に振る舞い、つつましやかである。 |
うきよ… 「浮き世」。もとは「憂き世」の意。仏教的厭世観から、いとうべき現世。つらいことの多い世の中。無常のこの世。漢語「浮世(ふせい)」を「うきよ」と解して、定めのない、はかない世の中。はかない世なら、浮かれて暮らそうという俗世の気持ちを含む。 せつな… 「刹那」。きわめて短い時間。瞬間。本来、仏教でいう時間の最小単位で、一つの意識の起こる時間。 ほのか… 「仄か」。わずかにそれと認められるさま。かすか。心や意識がぼんやりしているさま。量や程度がわずかなさま。光や色、香りなどがわずかに感じられることを言う。 つらし… 「辛し」。冷たい態度や、他人に対して冷酷である様。冷たい態度が恨めしい、しゃくに障るという感情を指す。 しじま… 「静寂」。静まりかえって、物音一つしないこと。口を閉じて黙りこくっていること。無言。 しのぶ… 「忍ぶ」。つらいことを我慢する。こらえる。他人に知られないようにこっそりと何かをする。また、気持ちが外に表れそうになるのをじっとこらえる意味。「偲ぶ」・「慕ぶ」と書けば、昔の物事や人を懐かしく思うという意味。他、目の前にあるものの美しさを賞賛する、愛でる、の意味もある。 あはれ… 「哀れ」。かわいそうな状態や無惨な姿という意味の他に、しみじみ心に染みる感動、その様な感情も指す。どうすることもできないような心の動き。感慨。 しぐれ… 「時雨れ」。秋の末から冬の初めにかけて、ぱらぱらと通り雨のように降る雨。また、涙を落として泣くさまにたとえていう。 くもい… 「雲居」。雲のある場所、雲のたなびいている所。大空を指す。空を指す場合と雲そのものを指す場合がある。その両方が遙か離れたところにあり、手が届かない場所にあることから、はるかに遠く、または高く隔たった所という意味もある。 のわき… 「野分」。野の草を風が強く吹き分ける意。秋から冬にかけて吹く暴風。 |
はげし… 「激しい」、「烈しい」、「劇しい」。勢いがきわめて強い。鋭く荒々しい。熱烈である。激情的だ。 にほひ… 「匂い」。古くは、色が映えて美しさを放つ様子を指した。華やかな魅力、視覚を通して見られる、鮮やかに美しい色合い(特に赤色についていう)。人の内部から立ち現れる、豊かで生き生きした美しさ。 なごり… 「名残」。物事の最後、終わり。人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち。後に残る気配や余韻の意味。「余波」と書けば、波が打ち寄せたあと、渚のあちこちに残っている海水や海藻などを指したり、または強風の吹きやんだあとでもまだその影響が残っている波のことを指す(「なごろ」とも言う)。 たのし… 「楽し」。満ち足りていて、愉快な気持ちである。金銭的に富んでいる、作物の出来が豊かである、という意味もある。 みやび… 「雅び」。上品で優美なこと。また、そのさま。風雅。優雅。 なさけ… 「情け」。1,人間味のある心。他人をいたわる心。人情。情愛。思いやり。2,男女の情愛。恋情。また、情事。いろごと。3,風情。おもむき。あじわい。3,もののあわれを知る心。風雅を解する心。風流心。 はやて… 「疾風」。急に激しく吹く風。寒冷前線に伴うことが多い。陣風。科学の発達していなかった時代では、それは恐怖であり、神でもあった。 あえか… 美しくかよわげなさま。はかなげなさま。(例:「あえかな花」「あえかな希望」) うたた… 「転た」。ある状態が、どんどん進行してはなはだしくなるさま。いよいよ。ますます。転じて、そうした状態の変化を前にして心が深く感じ入るさまにいう。なんとなく、という意味もある。 なずむ… 「泥む」物事が進まない様子。(例:「なずむ恋」「暮れなずむ空」)悩み苦しむという意味の他、ひたむきに思いを寄せる、執心する、の意味もある。心がとらわれる、こだわる、執着するという意味も含む。 |
ほむら… 「焔」。ほのお。心中に燃え立つ激情をたとえていう語。 つがい… 「番い」。2つそろって、一組となったもの。また、夫婦。 あかだ… 「阿伽陀」もしくは「阿掲陀」。梵agadaの音写。無病・健康・不死などの意。1,あらゆる病気を治すという薬。阿伽陀薬(あかだやく)。2,百薬の長というところから(1)に通わせて、酒の意味。 きすう… 「帰趨」。物事が最終的に落ち着くこと。行き着く、帰着するところ。帰趣。 あかり… 「明(か)り」。1,光。明るさ。2,ともしび。灯火。3,潔白であることの証明。疑いを晴らす証拠。あかし。 くれる… 「暮れる」・「眩れる」・「暗れる」。●夜になる。季節や年月が終わりに近づく。●同じことを繰り返しして、時が過ぎる。あけくれする。●悲しみなどで暗い気持ちのまま時を過ごす。●どうしたらよいか見通しが立たず困ってしまう。思い惑う。●(「目がくれる」の形で)欲望に心を奪われて正常な判断ができなくなる。●激しい感情のため、目先が暗くなる。目がくらむ。 |